いざというとき地域やご近所のつながりが大切

住民による防災訓練バケツリレー

1995年1月17日に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)2011年3月11日に発生した東日本大震災より防災意識が住民の間でも高まりました。行政は、力になりません。行政が設置する災害対策本部は、すぐには、機能しないことが多いからです。(役場や市役所)そのものが災害の被害を受けることもあるため住民が一丸となって防災意識を高め訓練することが重要になってきます。家族で小さい子介護が必要な高齢者がいる場合も積極的に訓練に参加するようにしましょう。私の地域では、「家屋の倒壊、道路の損壊、がけ崩れ、火災発生のほか、水道や電気、通信等に大きな被害が生じた模様です震度6の地震が発生しました(訓練)」というメールが配信されました。

 

 

実際、阪神・淡路大震災では、消防機関の活動は阻害されました。災害により道路被害・交通渋滞が重なり消防機関の活動には物理的な限界がありました。しかし住民による積極的な消火活動により、延焼を阻止することで被害をおさえることができました。

 

 

バケツリレーは、水源から水を運ぶ人水で消火活動をし水源にバケツを戻す一連の作業を経験により体得していくことで災害時にスムーズな連係プレイが可能になります。どのような並び方で運ぶと早いのか?運搬の方法やくみ上げる際の工夫なども必要になってきます。
所要時間を少なく運搬するためには、大勢の人手があった方が早くできます。

 

 


消化器を使った消火訓練

防災訓練では、消化器を使った消火活動も訓練しました。使い方は、 消火器上部の安全栓(黄色)を抜き ホースを外し、ノズルを火元に向け噴射するだけですが使い慣れていない方がほとんどなのでもし実践する機会があれば積極的に試してみることをオススメします。噴射距離は、3m程度で近くによると炎が吹き返しが危険ですし遠すぎても消火できません。また上下のレバーを握り薬剤を放射するときに力がいるので女性は、特に訓練しておくと良いでしょう。災害時火災が発生することも考慮し防災訓練をしておくことで落ち着いて適切な行動をとることができます。とくに地震で怖いのは、火災というように防災訓練では、合わせて練習しておきたいのが消火訓練です。

 

  • A火災(普通火災)用 紙、木、繊維、樹脂など、主として固形物が燃える一般的な火災に適応。
  • B火災(油火災)用油、ガソリンによる火災に適応。
  • C火災(電気火災)用 電気設備の火災に使用可能。

 

※粉末消火器(ABC)は、ほとんどの火災に使えます。

 

 


人工呼吸心臓マッサージ救急蘇生術

防災訓練で応急救護の訓練として実践される負傷者に対する人工呼吸法。まず自発呼吸を確認したうえで気道を確保し心臓マッサージ人工呼吸のリズムで正しく行う必要があります。まずは、救急車に出動してもらいます。また心臓マッサージや人工呼吸は、非常に疲れるので周囲の協力も不可欠です。救急隊員がかけつける間に落ちついて心臓マッサージを行います。最近の研究では、事故で心肺停止に陥った時、口と口をつける人工呼吸と心臓マッサージによる蘇生と心臓マッサージだけの蘇生では蘇生率に差がないことがわかってきています。人工呼吸への抵抗も強いため普及しない現状も大きく敬遠されがちな蘇生法ですが、自分の大切な人大切なわが子の命を救う方法なので真剣に訓練に取り組み忘れないために1年に1回くらいは、訓練に参加するようにします。蘇生が1分遅れると救命率が約10%下がるとされており心臓マッサージと人工呼吸の組み合わせで蘇生を行うのが一般的なので今回の防災訓練では、人口呼吸と心臓マッサージでの蘇生術を習いました。

 

 

気道確保

 


避難所に行くべきか悩んだら行かない(在宅避難)という選択肢もある

東日本大震災で被害に合われた浪江町の女性にお話をうかがいました。女性は、ご主人と3人のお子様、ペットの犬と猫と一緒に住んでいました。震災後犬と猫は、行方不明になってしまい、パーソンファインダー(人の消息確認ができるグーグル提供のサービス)の動物版アニマルファインダー (動物の消息確認ができるグーグルサービス)で飼い猫と飼い犬を探してもらったと話しておられたので動物たちも家族の一員だったようです。

 

震災に遭う前は、地震が起こったら避難所に向かって物資をもらってというイメージしかなかったそうです。私自身、被災経験がないのでテレビで見たまま地震が起きたら避難所に行けばなんとかなるどうにかなると思っていました。

 

しかし避難所に行くか行かないか悩んだり迷ったときは、行かないという選択肢もあるんだよ。在宅避難という考え方も話してくださいました。

 

被災された直後、家の中は混乱しガラスが飛び散り茶碗が割れて悲惨な状況になっていました。自宅なのに土足でしか入れない状況になってしまったそうです。しかし子どもを連れて行くと危険なので子どもたちは、車中避難させながら家の片付けをしたそうです。津波で家を流されてしまった被災者から比べたら家があるだけマシと嫌味をいわれながら避難所に物資をもらいにいく日々は息がつまるものがあったようです。

子どもの安全を考える

親子

避難所の体育館にはバスケットコートや電気があるため、皆早い者勝ちで「何も落ちてこない場所」を取り始め定員がオーバーした時点で避難所を次々と移動しなければならなかったそうです。浪江町の家は、無事だったものの福島第一原子力発電所の事故が影響して親戚の家や知り合いの家を転々としたそうですが・・やはり一家族が親戚や知り合いの家で暮らすというのは双方にとって大きな負担になるものです。

 

小さい子ども(赤ちゃん)、ペット、病人、障害者、認知症の家族がいるご家庭では、避難所に行くべきか迷う方も多いと思います。悩んだら行かない(在宅避難)という選択肢もあると話してくださいました。
被災された女性は、30代ぐらいでしたが実際避難所には、女性子どもが残ることになりレイプも発生しやすい状況なので黒やグレーの衣類を身に着けて過ごしていたそうです。

 

大切な家族を守るのは、自分自身。自分を守るのも自分自身なんですね?家が半壊(全壊)することを心配するより家が無事だった場合選択肢を広げる意味でも家族のための備えを意識することが大切だとおっしゃっていました。