婆さんが亡くなる数年前に野良着(百姓用の衣類)を処分しました。
生前整理(婆さんの野良着)
爺さんは「婆さんが元気になったら着るかもしれんで」と2年間入れたままにしておきましたが、結局一度も袖を通すことはありませんでした。

亡くなる直前まで週に3回ほどディサービスのお世話になっていてディサービスが休みの日も行きたがっていた婆さん。
最初は絶対に行かないと行っていたのに行きかけたらディサービスが生活の大部分を占めるようになっていたのです。

寝たきり生活で回復の見込みもなかったので処分を決めましたが、何もかもタイミングよく処分できたわけではありません。
認知症になったタイミングで処分する
義母が認知症と分かった頃、問題行動には困り果てました。その頃は寝たきりになってくれたほうが徘徊しないから楽と考えていたほどです。タイミング的には、認知症だから何を捨ててもバレないと思うし、本人も気付かないと思うのですが・・生きているうちにポイポイ処分するというのは難しいものでした。
寝たきりになったタイミングでの処分
寝たきりになったタイミングで片付けを始めるのは理想ですが、生きているうちというのは死ぬのを待っているみたいで全部は捨てれないものなんですよね。不用品はいっぱいあっても寝たきりになったとしても、捨てにくいと正直思いました。
数ヶ月前まで元気に歩いていてもお年寄りは、突然足腰膝に来ました。
2月、3月、ゆっくり自力歩行
4月、寝たきり生活(1日の大半をベッドの上で過ごす)
5月、飲食がほとんどできなくなる・・(野良着処分)
5月下旬、亡くなる
実際寝たきりになると徘徊したくても動くことができないので眼差しや表情で婆さんの気持ち読み取るしかありません。そして寝たきりになると認知症の頃の問題行動すら懐かしく思えるようになり、過去を笑ってやり過ごせるようになるんですね。不思議なものです。
寝たきりになると自由に歩いたりできなくなります。私は、決して良い嫁ではなかったけれど婆さんと一緒に子育てをわかちあった同志として居なくなることを想像できませんでした。
あんなに激しい性格だった義母が、赤ちゃんのようにベッドの上におり、愛おしさすらこみあげてくるほどでした。
爺さんは婆さんの症状に一喜一憂し私に報告してきます。伴侶を失う気持ちを想像しようとしても私には経験がないので何もしてあげられなかったし無力感に苛まれるだけでした。寝たきりになったら物が処分できると思っていましたが実際には難しいタイミングでした。
理想の生前整理
婆さんは、たくさん物をしまいこむ人でした。忘れて同じものをいくつも買っていたしまだ元気な頃のほうが、私や爺さんにも余裕があり荷物を少しずつ処分できたように思います。
理想の生前整理は、自分が自分のために子どもや孫たちの手を煩わせないためにも始めておくといいことです。
婆さんの命のろうそくの炎が消える前の猶予期間に片付けを始めたのは良かったです。旦那の親と自分の親、そして自分たち夫婦。
生前整理は、十人十色です。私は、自分のことは自分で!!動けるうちに片付けを始めないと年を取ってからでは動けなくなることを実感しました。
元気で健康なときに自分ではじめる
理想的な生前整理は自分が生きて健康なうちに次の世代に迷惑をかけないように最小限の物と暮らすことです。
もし婆さんが、心身ともに健康で認知症の症状もなかったとしても性格的に物を片付けるタイプではなかったので本人は生前整理をはじめることはなかったでしょう。
野良着は、全部燃えるゴミとして処分しました。下からカメムシが何匹もあらわれました。爺さんは、縦横に組んであるかごを几帳面にはずして捨てていましたよ