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岐阜県の剣道四段五段の学科問題(筆記試験)
2022年10月23日、剣道の昇段審査で無事四段に合格できました。

岐阜県剣道連盟の学科試験問題は、平成19年4月1日発行の岐阜県剣道連盟学科問題集から出題され模範解答例を丸暗記すれば学科試験はクリアできます。
四段五段で出題される問題は、岐阜県剣道連盟で公開されています。

- 有効打突の条件の条件を細かく記せ
- 剣道試合規則に定める諸禁止行為をあげよ
- 日本剣道形を修練することの効果について述べよ
- 打突の機会について述べよ
- 守破離についての述べよ

先生、初段や二段、三段は家で学科解答用紙を書いて提出するんでしたよね?四段五段も家で書いて出せば良いんですか?

四段五段は、人数が少ないから審査会場で書くんだよ

ええ!そうなんですか!頑張って覚えなきゃ!
四段、五段の学科問題(筆記試験)は完全丸暗記で覚える
岐阜県の学科は、初段二段三段同様に模範解答を丸暗記するのがコツ。四段五段は、初段二段三段で暗記した内容とは違うものを覚えなければいけないので一度頭をリセットして覚え直します。

令和4年秋の審査では、剣道試合規則に定める諸禁止行為をあげよ、日本剣道形を修練することの効果について述べよ、打突の機会について述べよの3問が出題されました。
紙のサイズは、B5です。普通の文字の大きさで覚えていたことを全部書くと、表(おもて)だけでは紙が足らなくなるので裏側にも書かなけれいけませんでした。
アプリを使って耳から覚える、紙に書いて覚えるの2通り
学科問題の覚え方は大きく分けて2通り。
- 耳から聞いて覚える
- 紙に書いて覚える

知人は、録音できるアプリをインストールして朝昼晩と出勤の行き帰り車の中で延々と聞き続け一字一句間違えずに覚えられたそうです。
耳から覚える方法は、私には合いませんでした。(アプリは無料のRecorder をインストール)
聞く回数が少なすぎたせいです。
毎朝1回ずつ聞いて覚えようと思ったのですが実際に紙に書き出したら全然頭に入っていないの耳から覚える方法を断念して紙に書いて覚える方法に切り替えました。
耳から聞いて覚えるなら1日に何度も繰り返さないと頭に入りません。
耳から聞く派も紙に書く派も繰り返し反復することで脳に定着しやすい気がします。
自分が得意な覚え方で暗記してくださいね♪
耳から聞くのも紙に書くのも繰り返し反復が確実に覚えられる秘訣
記憶力には自信が無い私!耳から聞く方法は途中で断念しましたが紙に書いて覚える方法は7回書くと頭に入りやすいと感じました。録音して暗記する方法も悪くはありませんが・・時間をかけて地道にコツコツ繰り返すのが一番の秘訣です。
1回で覚えるのが難しくても7回繰り返す暗記法は地道だけど確実な方法なので試してみてください。
打突の機会
打突の機会は、覚えるのが難しかったです。こんな長文答え合わせするほうも大変だから筆記試験では出ないだろうと思ったら出題されていました。

はじめて書いたときは、ほとんど正答が書けず心が折れました。ほぼ赤字です。悔しいので1日2回書いたこともあります。
そもそも回答が抜けてしまうことがあったので番号だけでも書きながら覚えました。

剣道試合規則に定める諸禁止行為
剣道試合規則に定める諸禁止行為は、冒頭の一文字を覚える作戦で暗記しました。
「さ・あい・あい・し・じ・ふ・そ」「あい・あい・あい・あい・た・こ・ふ」こういう覚え方が良いのか悪いのか分かりませんけど。
「さ・・定められた」「あ・・相手に足」「あ・・相手を不当に」「し・・試合中に」「じ・・自己の」「ふ・・不当な中止」「そ・・そのほか」
続いて「あ・・相手に手」(あいてて)「あ・・相手に竹刀」(あいしな)「あ・・相手の竹刀を抱える」(あいかか)「あ・・相手の肩に」(あいかた)「た・・倒れた」「こ・・故意に」「ふ・・不当なつば」
紙に書くと間違える箇所やつまづく部分が出てくるので学科試験の直前に見直しポイントをまとめた紙も用意しました。
試験問題は一字一句完璧を求めるものではありません。
だいたい7割、8割の記述できれば丸がもらえます。結果は分かりませんが・・9割9分ミスなく書けた気がします。ま・・完璧じゃなくても良いので細かい間違いやミスはスルーしながら覚える!

当日は、受審者が52人と大勢だったせいか直前に見直す時間はありませんでした。

1+1は2!みたいに理屈抜きに覚えるだけ♪
打突の機会は、覚えにくかったので、冒頭の一文字を最初に覚えることにしました。

「で・・出がしら」「ひ・・引くところ」「わ・・技のつきたところ」「う・・受け止めたところ」「い・・居ついたところ」「い・・息を吸うところ」「こ・・心の動揺したところ」

学科試験は、同じような言い回しが多いので間違えやすい「わ・・技のつきたところ・・は、(わ・た・きん)と覚え(た)体勢と(きん)緊張を忘れないようにしました。
理屈抜きに覚えるだけなんですね!
30年前、アマチュア無線の試験を取りに行ったときのことを思い出しました。
岐阜県剣道四段五段の模範解答例
岐阜県剣道連盟の四段五段の模範解答例を記しておきます。
守破離について述べよ(模範解答例)
守破離(しゅはり)とは、剣道における修行の過程のあり方をしめしたものである。すなわち剣道の修行では初歩の段階では、先生の教えを忠実に守り
先生の真似をすることが大切である。次に修行の中期では、守の段階で身につけたものを土台として自己を発見し殻を破り力強く独立していかなければいならない。そして最後には、先生から離れ独自の境地を拓いて新しい一派を作り上げ想像の段階へと到達しなければならない
剣道試合規則に定める諸禁止行為をあげよ(模範解答例)
- 定められた以外の用具(不正用具)を使用する
- 相手に足を掛けまたは払う。
- 相手を不当に場外に出す。
- 試合中に場外に出る。
- 自己の竹刀を落とす。
- 不当な中止要請をする
- その他この規則に反する行為をする
(上記のほかに次の解答を加えると良い)
- 相手に手をかけまたは抱え込む
- 相手の竹刀を握る、または自分の竹刀の刃部を握る
- 相手の竹刀を抱える
- 相手の肩に故意に竹刀をかける
- 倒れた時相手の攻撃に対応すること無くうつ伏せなどになる
- 故意に時間を空費する
- 不当なつば競り合いおよび打突をする
打突の機会について述べよ(模範解答例)
打突の機会は、相手が次のような状態にあるときである。
(1)出がしら
相手の出がしらは相手の意識が攻めや打突に集中していることから反対にこちらが攻撃を加える絶好の機会である
(2)引くところ
引くケースには、間をとるために引く場合と攻められて退く場合とがある。引いたときは、重心が後ろへ移動していて動作を起こしにくいときであり、さらに、攻め込まれて退いたときは上記の理由のほかに精神的動揺も加わるので一層攻撃の機会となる。
(3)わざの尽きたところ
相手のわざが尽きたところは体勢が崩れ、また緊張でゆるんだときでもあるので打突する機会である
(4)受け止めたところ
こちらの攻撃に対し、相手が応じわざで応じることができず、受け止めただけの場合は打突する機会である
(5)居ついたところ
相手が足さばきがなめらかに行えず居ついたところは打突する機会である
(6)息を吸うところ
相手が息を吸う時は、ただちに行動が起こせないときであるから打突する機会である
(7)心の動揺したところ
相手の心が動揺しているときは正常な判断ができず、また筋肉も硬直しているときであるので打突する機会である
有効打突の条件を細かく記せ(模範解答例)
有効打突は、充実した気勢、適切な姿勢をもって、
竹刀の打突部位を刃筋正しく打突し、残心あるものとする。
なお、『刃筋正しく』とは、竹刀の打突方向と
刃部の向きが同一方向である場合とする。
また、次の場合は有効とすることができる。
- 竹刀を落とした者に、直ちに加えた打突。
- 一方が、場外に出ると同時に加えた打突。
- 倒れた者に、直ちに加えた打突。
ただし、次の場合は、有効打突としない。
- 有効打突が両者同時にあった場合(相打ち)
- 被打突者の剣先が、相手の上体前面に付いてその気勢、姿勢が充実していると判断した場合
日本剣道形を修練することの効果について述べよ(模範解答例)
- 剣道の歴史と真髄に触れることができる。
- 剣道の理合とわざの基本が修得できる。
- 剣道の礼儀や作法が修得できる。
- 正しい構えや体さばきが修得できる。
- 正しい目付けが修得できる。
- 手の内の感覚がつかめる。
- 打突の機会(勝機)を知ることができる。
- 気勢が充実し、気位が高くなる。
無事合格できてホッとした

昇段祝いでスーツを新調したよ!1~2ヶ月でサイズダウンしてて驚きました。

「初段」:受審資格は1級を所有し、中学2年生以上の者。
「二段」:初段取得後1年以上修行した者。
「三段」:二段取得後2年以上修行した者。
「四段」:三段取得後3年以上修行した者。
「五段」:四段取得後4年以上修行した者。
「六段」:五段取得後5年以上修行した者。
「七段」:六段取得後6年以上修行した者。
「八段」:七段取得後10年以上修行し、かつ46歳以上の者です。
学科用(筆記試験用)にむけて準備すること
学科試験にむけて準備することは、鉛筆の音が響き渡っても周りの音に惑わされず回答を書く集中力です。最初からイメージトレーニングをしておくと良いです。あとは、筆記具も忘れずに用意します。

私は、筆圧が強いのでシャープペンだと折れてしまうため鉛筆を用意しました。長机に二人腰掛けるようになっていますが遅れて試験会場に入ったので一人で座ることができました(ラッキー)
鉛筆を走らせる音などで集中しにくい人はYouTubeで紙をめくる音、シャープペンの音(環境音)を聞きながら学科試験、筆記試験をイメージして書く練習をすると良いかもしれません。
鉛筆はトンボの高級芯 MONO Rが黒色ベースでカッコよかったので3本購入して試験に望みました。
トンボは、剣道の面手ぬぐいに使われる柄ですが真っ直ぐに前に向かって飛ぶ(絶対に後ろに引かない)という意味があるそうですよ。

トンボも縁起良さそう!!(←だいぶんメンタルが崩壊しているw)
サクラクレパスの消しゴムは、「たいへんよくできました」と書いてあり縁起が良さそうだったので購入。笑。
岐阜県の場合、満70歳以上の受審者は学科審査を免除することが出来るとあります。私は、50代のうちに五段を取りにいきたいので次に覚えるときも同じように紙に書いて覚えようと思います。